- 食品製造工場の収支管理がアナログで、経営陣が求めるデータ整理に丸1日を費やしていた
- IT化して脱アナログを図り、収支バランスを最適化してコスト削減を図りたい
- 収支管理のデジタル化を実現するため、収支管理分析深耕・工場収支・人事生産性・収支管理分析の4つのアプリケーションを構築
- これまで活用していたExcelの挙動に近しい機能を、細かなカスタマイズによりQlik Senseで再現
- アプリケーションのプレ画面と要件整理を明確にしながら議論を進行することで、4アプリケーションの開発からリリースまでをわずか4か月で完遂
食品製造工場の脱アナログを支援し、コスト削減を図る
全社を挙げてDXを推進している大手小売業のA社。製造した食品を各店舗に卸す生産管理部の工場でも例外なく、IT化プロジェクトに取り組もうとしていた。
A社食品製造工場では収支に関わるすべてのデータがアナログで管理されており、データの分析はもちろん、本社や部内への共有用データの整理に丸1日を費やしていた。「脱アナログを図り、収支バランスを最適化してコストを削減したい」。A社のこうした要望を叶えるため、INSIGHT LABではBIツール「QlikSense」を導入し、状況を改善するよう提案を行った。
このプロジェクトは当初、工場の収支管理のみを対象とし、費用や売上などをBIツールで確認・分析する目的でスタートした。しかし、A社の課題を洗い出し、QlikSenseで実現できることを整理したところ、より洗練されたデータ管理・分析ができることが判明。収支管理のデジタル化に加え、データ管理・分析のブラッシュアップにも取り組むこととなった。
アプリケーション構築とA社にあったカスタマイズで要望を実現
A社の要望を実現するため、INSIGHT LABは次の4つのアプリケーションを構築することとし、開発を行った。
- 収支管理分析深耕アプリ 工場の各勘定科目において、「推移データ」「カテゴリ平均」「他工場との比較」を行えるようにした。
- 工場収支まとめアプリ 部内連携のための報告書を作成するためのアプリで、売上やコスト、利益などをまとめた。
- 人事生産性に関するアプリ 各工場の人事生産性を「横比較」「長期比較」で比較し、改善するための分析を行う。
- 収支管理分析アプリ 工場単位で収支をまとめ、他工場との比較を容易にすることで、本社への報告書作成を効率的に行えるようにした。
これまでExcelでデータ管理をしていたA社には、これらのアプリケーションを構築するにあたって、Excelならではの仕様を踏襲したいという強い要望があった。例えば、条件に当てはまるセルを色づけしたり、特定のデータを指定のグラフで表示させたりといった内容で、これらExcelならではの仕様は、実は通常のQlikSenseの仕様とはかけ離れている。
この作業は非常に困難を極めたが、INSIGHT LABの中でもBIツール導入に長けた技術者がA社の担当者に対してヒアリングを重ね、イメージにマッチするよう細かなカスタマイズを行うことで要望を実現した。
複数アプリケーションの開発からリリースまでを4か月間で完遂
アプリケーションを複数同時に構築する場合に懸念されるのは、お客様と確認や議論を行う中で「どのアプリ要件について話しているか」の相互認識に齟齬が生じてしまうことだ。この点、INSIGHT LABでは常にA社と議論する際は必ずアプリケーションのプレ画面を提示し、要件整理を明確にしながら進行を行うことで回避した。
結果として、4つのアプリケーションの開発からリリースまでを4か月で完遂することに成功。複雑かつ短納期のプロジェクトを、細かな要望まで含めて実現できたことで、A社からは高く評価いただいた。現在A社では、本ツールを運用することで実際にコスト改善につながっているか否か、データ収集を行っている。
BIツールをただ導入するだけでなく、お客様の課題や本来のニーズを正しく捉え、そして現場の担当者が使いやすいよう、確かな技術力をもってツールをカスタマイズする。これこそ「データ利活用促進パートナー」としてのINSIGHT LABの務めだ。
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