【PoC】地方銀行のデータ管理システム改善に向けた、モダンなアーキテクチャの開発
- 大規模データの処理時にタイムアウトが頻発する
- 部分的な修正にもコストがかかり小規模のシステム改修が困難
- 実際の分析時にかかる処理速度や作業コストも数値として可視化
- タイムアウトを起こしていた大量データの処理作業が、数十妙まで短縮
データ管理システムのモダンなアーキテクチャの提案からスタート
膨大なデータを保有・蓄積する金融機関の中には、その管理や活用の方法に悩む企業も少なくない。INSIGHT LABが相談を受けた地方銀行も同様だった。
その地方銀行が課題を抱えていたのが「データベース管理システム」。大量データの処理・分析に適さないシステムを使用していたことで、主に2つの問題が生じていた。1点目は、大規模データの処理時にタイムアウトが頻発すること。もう1点は、部分的な修正にもコストがかかり小規模のシステム改修が困難なこと。これら2点の解消を求める一方、銀行の体制上、システムのリプレイスに速やかに取りかかれない点がネックでもあった。
当時の状況について、INSIGHT LABの担当者はこう話す。
「顧客情報など機密性の高いデータを保有する銀行は、システムの新規導入に対し慎重なため、すぐに環境改善を実行するのは難しいとのことでした。将来のシステム構築に向けて、まずはデータベース管理システムのトレンドとモダンなアーキテクチャを知りたいというのが、先方のご要望でした。そこで、お客様の取り扱いデータに適切なデータベースのアーキテクチャをご提案。『効果や価値をリアルに実感したい』と声をいただいたため、短期間のテストシステムを導入し、動作検証を行えるPoCの提供をすることになったのです」
Snowflakeでテストシステムを構築。検証結果に驚きと喜びの声
PoCの実施が決定し、データ分析基盤のテストシステム構築に着手し始めたINSIGHT LAB。システム開発に、データレイクやデータウェアハウスなどにも対応したデータ一元管理のクラウドデータプラットフォーム「Snowflake」を導入。さらに、Snowflake上の蓄積データを分析に適した形へ変換・加工する「dbt」、分析ツールであるPowerBIやAccess、SnowSight(Snowflake社BIツール)も活用し、データをアウトプットする際の形式も提示した。
システム構築から1か月後に完成したテストシステムの動作検証には、個人情報の含まれているデータを避け、ATM内などに残る端末ログデータを使用。結果について、担当者はこう話す。
「テストシステム導入後に検証をした結果、既存システムではタイムアウトを起こしていた大量データの処理作業が、数十妙まで短縮。一時中断も起きなかったため、スムーズに処理を完了させることができました。実際の分析時にかかる処理速度や作業コストも数値として可視化。それを見たお客様は、『モダンなシステムだとこんなにも処理負荷が軽減するのか』と驚いていらっしゃいました」
即時導入は困難でも、将来の判断要素に
PoCにより新システム導入のイメージは提示できたものの、実際にシステムを使用するのはクライアントだ。「操作性や利便性は、お客様自身が操作して初めて体感できるもの」と話す担当者は、体験期間を数カ月設け、現在もサポートを継続。「本格的なシステム導入を検討する際の、意思決定の一助になれば」と言う。
セキュリティリスクやシステム体制などの観点から、銀行のDX化は他業種と比較してもスピードは緩やか。それが都心から離れた地方銀行となると、より顕著だろう。しかしINSIGHT LABは、今回のようなDX推進の「駆け出し」フェーズの企業にも寄り添う姿勢を見せている。
「大きな組織だとサービスやシステムの導入判断をすぐに下せないケースも多い。しかし前段階の準備として検討の相談や検証を行うことは、環境改善をする上での重要な要素にもなり得ます。データベースやデータの利活用に興味はあるけどどうすればいいか分からない、という企業の担当者様には気軽に相談してもらいたいです。当社のソリューション提供によって、一歩ずつ、着実にDX推進を支援していきたいと思います」
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