INSIGHT LAB株式会社

【Power BI】BIツール、データベースの見直しにより年間3,000万円以上のコストカットを実現

非公開
解決したい課題
  • ライセンスコストを抑えたシステムで、1,000名を超える社員の残業管理や休暇管理及び分析を実現したい
データ活用の成果
  • QlikViewからPower BIに置き換えることでトータル約3,000万円のコストを削減
  • 当初の目的であった1.5カ月以内での開発を実現

勤怠管理・分析方法のランニングコストを抑えたい

大手プラント・エンジニアリング企業A社の人事部は、QlikViewを用いて社員の残業や休暇の管理・分析を行うアプリケーションを構築・運用していた。しかし、社員数が1,000名以上におよぶため、全員分のアカウントを作成するとライセンス料金が非常に高額になってしまう。よりランニングコストのかからない方法で勤怠管理・分析をすることはできないか。そう考えたA社は、INSIGHT LABにシステムのリプレイスを依頼した。

なお、新しいBIシステムは、組織別の残業時間管理と休日出勤の管理、独自の制度である夏休み(5日間連続取得義務あり)の3項目について、取得状況の把握を行う目的とする。

メリット・デメリットや優先順位を加味して、BIツール・データベースを選定

プロジェクトのコストを抑えるため、INSIGHT LAB側の稼働については最低限の工数と人員で実施することとした。勤怠管理・分析に用いるツールも新規導入はせず、A社で既に導入しているツールの中から、Power BIを活用したい旨、要望を受けた。BIツールをQlikViewからPower BIに移行する場合、従来に比べ、1ユーザーあたり3万円程度のコスト削減が見込める。1,000名を超える社員を抱えるA社にとっては、年間約3,000万円のコストカットが可能だ。Power BIに移行する最大のメリットはまさにこの点だった。また、Microsoft Officeソフトを用いているA社にとって、Power BIがMicrosoft Officeソフトと容易に連携できる点も魅力の1つだった。例えば、Power BIのデータからExcelのピボットテーブルを作成したり、グラフからPowerPointの生成をすることができる。

これらのメリットが期待できる一方で、次のようなデメリットもあった。

Power BIはローコード開発プラットフォームであるため、Qlik Viewと比較して、機能にさまざまな制限がある。例えば、「シンプルなグラフしか作成できない」「BIツールとしてのデータ処理能力が不足しており、データベースから吸い上げたデータを自由に計算処理させられない」などだ。このデメリットを克服するため、データベース側でデータを整えたうえで、Power BIで可視化を行う手順を踏むこととなった。

こうしたPower BIのデメリットを考慮すると、データベースサーバーを設置することが望ましいが、それはコスト面で許容されない。そこで、MicrosoftのAccessを用いてデータベース環境を構築することとなった。Accessでは複数のワークテーブルを必要とし、計算処理も重くなる。そうしたデメリットとコストを比較検討したうえでのAccess採用となった。

短期間での開発に成功、年間3,000万円のコストカットを実現

Power BIへのリプレイスを行ううえで、QlikView上で行っていた計算処理を、Power BIでいかに再現するか、そして、分析結果に差異がないよう調整するかは最大の難所となった。

例えば、夏休み休暇の取得チェック。A社では、夏休み休暇を5日間連続で取得する。それとは別に特別休暇が設けられており、特別休暇は単日取得となる。もしも、夏休み休暇を取得可能な期間中、連続して5日間休んでいたら、それを夏休み休暇と判断するロジック計算が求められるが、Power BIにはそれを自動で計算する機能が存在しない。

そこで、QlikViewと同様の処理を、Power BIで再現するための計算ロジックをあらためて構築し、フローに落とし込む作業が必要となった。

これら、Power BI活用のデメリットとされる難点を解決し、当初の目標であった1.5カ月以内での開発を実現。無事にPower BIへの移行対応を完遂した。QlikViewを活用していた際のアウトプットを短期間で再現したこと、年間3,000万円以上のコストカットに成功したことについて、A社から喜びの声をいただき、プロジェクトは終了となった。

世の中のデータ活用に対する需要に呼応するように、日々新たなデータ分析ツールが生み出されている。しかし、必ずしも最新の環境を用意することがお客様のためになるとは限らない。INSIGHT LABは、お客様の課題や環境、希望にあわせて最適な分析環境を用意することこそ、データ分析のパートナーとして必要な姿勢であると考えている。

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