【株式会社協和企画】Qlik Senseにより数十億件もの定期更新処理時間を大幅に短縮
1959年創業。国内最大手の信頼と実績をもつヘルスケア・コミュニケーション・エージェンシー。 2018年9月にインテージグループの傘下となり、ヘルスケア領域で事業を展開。医療と人を結びつけ、人々が安心して暮らすことのできる社会作りに貢献している。
- 大量データを扱える高度な分析基盤を、低コストで構築したい
- 大量データの高速分析能力とコストパフォーマンスの高さからQlik Senseを提案
- 探索型と現状把握型の両方のMedi-Scopeのアプリを開発
- チューニングを行い、大量データの高速処理を実現
国内最大級の保険者データベース そのエンジンにQlik Senseを採用
協和企画は、2008年頃から新事業として医療データの提供サービスを開始。その第1弾として、全国の薬局のデータを収集した「Medi-Trend」として販売するスタイルを確立した。2018年2月にはその第2弾として、保険者レセプトデータを基にした日本最級の医療データソリューション「Medi-Scope」をリリース。主なユーザーは製薬メーカーだが、アカデミア、ヘルスケア企業などの関心も高い。
そして、このMedi-Scopeの心臓部となるデータ分析エンジンに、データアナリティクスプラットフォーム「Qlik Sense」を採用し、INSIGHT LABがチューニングとカスタマイズを担当した。
「Medi-Scopeのサービスは大きく3つで構成されています。1つ目は多角的に医療の実態を数値化し変化の原因の探索も可能な『Webサービス』、2つ目は広範で多岐にわたる匿名レセプトデータを購入できる『データセット』、3つ目はニーズに応じた多角的集計をオーダーメードで提供する『アドホック分析レポート』。Qlik Senseは、そのすべてのサービスで活用しています」と語るのは、協和企画のチーフデータサイエンティスト 河口 健司氏だ。
大量データ処理に経験と知見を持つ INSIGHT LABを開発パートナーに選定
河口氏は、2017年7月にMedi-Scopeの開発プロジェクトを立ち上げるにあたり、大量のデータをスピーディに分析できる強力な基盤作りを目指したと話す。
「新規にデータ分析プラットフォームを構築しようとした背景には、優良なデータを持つビジネスパートナーと協業し、数十億件という大量のデータを確保できたことがありました。問題は、その大量データを扱える高度な分析基盤を、競合に対抗できるよう、いかに低コストで構築するかという点にありました」
解決策として、同氏は次世代のセルフサービス型BIに注目。有効性のある数製品に絞り、PoC(導入前実証)をおこなった結果、最終的にQlik Senseを選択した。その理由について、2つのポイントがあったという。
1つは、Qlik独自の連想技術とインメモリ技術による大量データの高速分析能力。Qlik Senseの連想技術は、取り込んだ全てのデータに含まれるレコード間のアソシエーションを自動的に作成・保持するため、思考の流れに従った一連の分析をおこなうことができる。また、インメモリ技術により、大量のデータを自動的に正規化し、重複排除で分量を最大20分の1にまで圧縮することで、メモリ上での高速な分析を可能にしている。
もう1つは、コストパフォーマンス。Qlik Senseは別途高額なデータベースが不要なため、低コストでの構築が可能になると考えた。2018年12月、導入アプリケーションの作り込みの過程で、懸案だったフルデータ(数十億件)の処理スピード改善にチャレンジしていた河口氏は、開発を加速させるためQlik Senseの開発に長けたベンダーから支援を受けることを考えたという。「いくつかの企業に相談したところ、INSIGHT LABが最も大量データの処理に経験があり、問い合わせに対する回答も的確で、知見も豊富だったため、開発パートナーとして参加してもらうことになりました」
INSIGHT LABは、データの構成を抜本的に見直し、大量データを目的のレスポンスで処理することが可能となるようチューニングするとともに、UIアプリケーションの作り込みの部分でも支援をおこなった。
Qlik SenseにAIを組み合わせ 新たなセグメンテーションを作る
Medi-Scopeは2つのパターンが開発された。まず、2018年2月に広範囲な分析機能を持つ完全版の「探索型Medi-Scope」。その後、特定分析に限定し、営業やマーケティングが容易に分析を実施できる「現状把握型Medi- Scope」をリリース。INSIGHT LABは、この双方でMedi-Scopeの開発を支援した。
「特に、探索型は全データを対象にすることから処理負担が大きいため、INSIGHT LABのアドバイスに従い、目的別に小規模のデータ群を切り出すなどの手法を取り入れ快適なスマートアプリケーションに仕上げた」と河口氏はいう。
また、Medi-Scopeは優れたUIを持っていることもポイントだ。一般的な医療情報提供サービスは数字や表形式でデータを提供しているものが多い中、Medi-ScopeはQlik Senseのグラフィカル機能で分析結果を可視化できるため、微妙な変化を視覚的に把握しやすいと利用ユーザーからも高く評価されている。
今後、協和企画では新たなサービスのセグメンテーションを作っていくという。「製薬業界ではまだAIの積極的活用はされていません。そのため、AIと親和性の高いQlik Senseに外部AI機能を連携させ、新たな分析メリットを提案していく考えです」と河口氏は話す。
また、将来的にはMedi-ScopeのWebサービスにお客様がお持ちのデータを取り込めるようにし、分析の自由度をより高めていくことも視野に入れている。
「今後は扱うデータが増え、より高いパフォーマンスが求められるようになるでしょう。BIがセルフサービス化したとはいえ、大量データの処理に豊富な経験と知見を持つパートナーの存在は重要で、それがINSIGHT LABであると今回のプロジェクトでは感じました」と河口氏は語る。
当サービスに関するお問い合わせや資料請求は