市民生活の課題をデジタルのチカラで解決。ICT活用で利便性と生産性を高める、妙高市の挑戦

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妙高市

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新潟県南西部、長野県との県境に位置する妙高市。全国有数の米の産地で、山の幸、海の幸などの「食」に恵まれており、スキー場や温泉地を多数有することから、観光地としても人気を博す。一方で、豪雪が及ぼす生活への影響や少子高齢化などの課題が浮き彫りとなっている。2020年3月、妙高市ではこうした市民生活の課題を解決するため、第4次妙高市地域情報化基本計画(兼 妙高市スマートシティ推進構想)を策定。DX推進に積極的に取り組んでいる。

ICT活用で各種行政サービスの生産性と利便性を向上

新潟県南西部、長野県との県境に位置する妙高市。2005年に3つの市町村が合併して生まれた、人口約3万人の自然豊かな町だ。全国屈指の米どころで、山の幸はもちろん、海に面する地域では魚介も豊富に水揚げされる。観光資源も多く、県内には8つのスキー場と7つの温泉地を有する。

 観光地としての魅力が溢れる妙高市だが、実際にそこで暮らす人々にとっては豪雪地帯ならではの生活の苦労がある。また、少子高齢化の問題も例外ではない。こうした市民生活の課題を解決するため、妙高市ではDX推進に取り組んでいる。その1つが、第4次妙高市地域情報化基本計画(兼 妙高市スマートシティ推進構想)だ。

 妙高市でスマートシティを構築する意義について、妙高市企画政策課スマートCity推進室グループ副参事・係長の池田潤氏、主事の竹内風吹氏は、次のように話す。

 「人的・財政的な経営資源が縮小傾向にある中、私たちは市民生活に不可欠な行政サービスを提供し続ける必要があります。そのために、ICTを積極的に活用して行政事務・手続きの効率化を図り、生産性と利便性を向上させる。それがスマートシティ構築の意義です」

「DX推進がしやすい分野から」。優先順位をつけ、施策を着実に推し進める

妙高市が企画政策課内にスマートシティ推進室を設けたのは、2020年4月のこと。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが宣言され、日本国内でも緊急事態宣言が発令されるなど、先の見えない不安が広がっていた時期だ。新潟県にルーツを持つ代表取締役の遠山が、「故郷に恩返しを」という想いで新潟県にINSIGHT LABの支社を設立したのも同時期だった。池田氏は、当時をこう振り返る。

 「遠山さんとの出会いは偶然でした。ある新潟物産店の事務所でお会いしたのがきっかけです。INSIGHT LAB新潟支社を初めて訪れた際にはまだ段ボールが積まれていて、設立間もない様子が見てとれましたね」

 感染症の世界的流行という未曾有の事態に、スマートシティ構想は暗礁に乗り上げるかに思われた。しかし、妙高市ではINSIGHT LABと提携協定を締結し、難局を打破すべく動き始めた。たとえば、学校の卒業式や入学式、保育園行事などをオンライン配信したり、介護認定審査会をオンラインで開催したりといった取り組みだ。

 「学校や保育園など教育関連の行事は、子どもの成長にも影響を与えるものだと思っています。そして、私自身も子育ての経験があるので、子どもの成長をこの目で見たい親心はよくわかります。だからこそ、『コロナ禍だから』と簡単に諦めることはできませんでした」(池田氏)。

 竹内氏いわく、介護認定審査会のオンライン開催についても「資料が見やすく、現地参加するよりもよかった」と評価する声が届いたという。

 「オンライン化」「DX推進」といっても、まずどこから手をつけるべきか、どんな技術を使えばいいのか、戸惑う声も少なくない。そんな中、妙高市がコロナ下でも迅速にDXを推進できたのは、プロジェクトに優先順位をつけて取り組んできた結果と言える。DXを推進したい分野が多岐にわたる中、妙高市では比較的デジタル化しやすい部分から着手して、コツコツと施策を前に進めてきた。

「市民のよりよい暮らし」のために、デジタル化を含む新しい挑戦をし続ける

スマートシティ構築を掲げる妙高市では、将来に向けたビジョンが具体的に描かれている。今後の展望について、竹内氏は次のように語る。

 「生活に不便を強いられるという意味では、新型コロナだけでなく豪雪も同じです。大雪が降ると、各家庭から市役所までの移動が困難になることもあります。今後はペーパーレス化を進め、デジタル化を促して、いつでもどこからでも、市民のみなさんが便利に行政サービスを利用できるようにしたいですね」。

 「DX推進は、あくまで市民のよりよい生活を実現させるための手段」。そう捉える妙高市では2021年10月、LINEによる行政情報のプッシュ配信を開始。情報を必要とする人に適切な時期に情報が届くよう体制を整えた。2022年1月には、「早い・書かない・やさしい」を目指したスマート窓口を開設し、タブレットによる申請手続きをスタートしている。

 将来的には窓口を訪れることなくオンライン上で行政手続きが完結するよう制度の拡充を目指すという。山間地に住む移動が困難な人やデジタルに不慣れな人にも心地よく行政サービスが利用できるよう、移動車両を運行してサービスを提供する計画もある。

 何よりも「市民のよりよい暮らし」を第一に考える妙高市では、今後も課題解決のための新しい挑戦をし続けていく。池田氏と竹内氏は次のように声をそろえる。

 「INSIGHT LABからは今後も、情報やデータ活用の考え方を参考にさせていただきたいと考えています。妙高市の課題を民間企業のみなさまと一緒に解決していくために、人脈やベンチャー企業との出会いを拡げていきたいですね」

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