【株式会社スタイルブレッド】ExcelからQlik Senseへの移行により、既存顧客のリピーター育成を促進
- 需要の高まりにより営業活動の優先度に偏りが生じ、既存顧客の失注を後から知るという状況に
- 新規開拓も進めながら、既存のお客様の変化も見極めたい
- 柔軟で多様な分析が可能なBIツールを選定
- 豊富なデモアプリにより、アプリの制作もお客様自身でスピーディーに実施可能
- データの鮮度向上により、注文頻度の変化を迅速にキャッチ可能に
- リピーター獲得に向けたコミュニケーション施策の傾向把握
CRM活動を迅速化・効率化するためにツール導入
スタイルブレッドは、伝統製法で作られる天然酵母の焼成冷凍パン(パン製造の焼成後に急速冷凍して焼きたての鮮度を保つパン)を作る技術を持つ、群馬県桐生市の老舗ベーカリーだ。冷凍のまま長期保存ができ、温め直すだけで焼きたての風味と食感が楽しめるパンを「STYLE BREAD」としてブランド化し、国内約3,000以上の高級ホテルや著名レストランに提供している。また、その技術を一般消費者向けとして商品化するため、新たなサービスブランド「Pan&」もスタート。スーパーマーケットやコンビニ、食材宅配のほか、自社オンラインショップ経由でも販売が拡がっている。
スタイルブレッドでは、STYLE BREADをホテル向けの法人営業とスーパーなどを対象とした流通営業に向けた「プロユース事業」が担い、Pan&を一般家庭向けの「ライフスタイル事業」が担う形で棲み分けを行っている。同社はその両ブランドのCRM(顧客関係管理)活動を迅速化・効率化するため、セルフ・サービス型BI製品のQlik Senseを導入し、売上データの活用を本格化させている。
早くビジネスの変化に対応できアプリも簡単に作れることがツール選定の条件
プロユース事業の営業部門では、10年程前に販売管理システムを導入。販売データの抽出は1ヵ月に1度行い、お客様の購買動向を把握しようとしていた。しかし、需要の高まりによって営業活動の優先度は新規のお客様獲得が中心となり、既存のお客様へのフォローアップが疎かになりつつあったという。スタイルブレッドマーケティンググループ 取締役 執行役員 経営企画室長 本間 美奈子氏は、「前回の発注から時間が経っているお客様をピックアップし、営業がコンタクトを取っていましたが、データは1ヵ月前のものだったため、失注を後から知るという状況も少なくありませんでした。そのため、データの鮮度を高め、新規開拓も進めながら既存のお客様の変化も見極められる仕組みが必要でした」と語る。
一方、ライフスタイル事業における販売データの分析は、主にExcelを活用し、お客様ごとに商品名・購入金額・購入回数などを手作業で把握していた。だが、顧客数の増加に伴い、作業が大きな負担になっていたという。また、初めてのお客様が継続的に購入いただくための分析も重要なテーマになっていた。本間氏は「母の日や年末などの機会にギフトやプレゼント用の需要を喚起するため、お客様の購入サイクルや購入行動、商品の買合せ内容などを分析する必要がありました」と話す。
当初はCRMやSFA(営業支援システム)等の導入も考えていたが、カスタマイズが難しく、業務に合わせて扱いやすく編集できるツールを探すこととなった。「そんな中、INSIGHT LABと出会い、BIなら柔軟で多様な分析が可能だとアドバイスいただきました。そこで推奨されたのがQlik Senseだったのです」と本間氏は振り返る。
早速、Qlik Senseの無料トライアルに申し込み、今やりたいことをデモで試していったという。「最大の関心は、BIを使っていかに早くビジネスの変化に対応できるかを見極めること。そして、私たちだけでアプリを作れることも重要でした。幸いデモアプリが豊富に用意されていたので、それを参考に当社の項目メニューに切り替えたり、作り方を学んだりしました。」と本間氏は述べる。
顧客ごと日単位での売上リスト作成を可能にし 自作のアプリで最新の受注傾向を数分で可視化
スタイルブレッドでは、Qlik Sense導入後、事業別に 1)法人営業向け(主にホテル向け)、2)流通営業向け(主にスーパー向け)、3)個人営業向けに、売上データの週次・月次レポートをエクセルにまとめて出力している。
法人営業では、前週の動きを翌週のアクションに移せるようになったほか、最後の注文日から何日経過しているかを毎週可視化することで、通常の注文頻度からの変化を察知することが可能になった。
流通営業ではこれまでは1つのマスターに仲買業者の売り上げデータが登録されていたものを、分析用のテーブルを別に用意。その先の店舗で売れている傾向が見えるようになったという。
個人営業では、お客様ごとに日単位での売上リスト作成を可能にできたのが好評だという。「個人のお客様は最初のご注文から1~2ヵ月が重要で、その間に適切な販促を行わないと2回目のご注文をいただけない可能性があります。Qlik Senseによって、どういったタイミングでどのような提案をしたらリピーターになっていただけるのかを見極められるようになりました。」
また、最新の受注傾向を数分で可視化できるようにもなったという。例えば、法人営業では比較的受注頻度の安定したお客様が多いが、受注間隔が1週間から2週間に延びた場合、お客様が離脱しかけていると予測し、アラートを表示するようにした。
今後は、コンビニでも同社の焼成冷凍パンが広く販売されていくため、食事のマーケットとしても分析を進める考えだ。また、プリム会員(Pan&公式オンラインストアで定期便を利用するお客様)への誘導などお客様ロイヤリティの強化も進めていくという。
「BIのことを、当初はもっと扱いづらいものだと想像していましたが、INSIGHT LABが当社のレベルに合わせてサポートしてくれたおかげで、順調に使い始めることができました。」日本のパン食文化に“いつでも焼き立て”という革命をもたらしたスタイルブレッド。そのさらなる成功に向けてデータ活用はこれからが本番を迎える。
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