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【MYOKO ACCELERATOR PROGRAM 2022】成果発表会レポート

2023年2月10日(月)、新たなイノベーションが持続的に創出される環境を生み出すための、妙高市初となるプログラム「MYOKO ACCELERATOR PROGRAM 2022」の成果発表会が開催されました。6名のプログラム参加者が事業プレゼンテーションを実施し、約半年間の集大成となった成果発表会の様子をレポートいたします。

 

プログラム開始から3度の合宿を重ね、事業計画をブラッシュアップ

「MYOKO ACCELERATOR PROGRAM 2022」の目的、目標は、公式HPで以下のように示されています。

妙高市の地域課題の解決やSDGs未来都市として将来へ向けた取り組みを行い、大胆に変革し、次の時代に新しい価値を創造することを目的とします。妙高市の支援機関や経営者とのメンタリングなどを通じ、事業成長する起業家を募集し、共に成長を目指します。
(公式HPより引用 https://myoko-ibc.com/)

この目的、目標に共感したスタートアップ企業や個人事業主、学生など様々な経歴のメンバーが公募により選出され、2022年10月に初回となるメンター合宿を「MYOKO BASE CAMP」にて開催。ここは妙高の国立公園内にあるワーケーションスペースで、「心と身体と仕事が整う場所」として、豊かな自然×Zoom社との連携で生まれた快適なワークスペースを提供しています。
そんな非日常な環境の中、それぞれの考えている事業構想をプレゼンテーション形式で発表していきます。発表内容に対して、メンターである先輩起業家は不足点や課題点、面白い点、もっと伸ばせる点などをフィードバック。対話の中で気付きやひらめきを得ながら、事業内容をブラッシュアップさせていきます。更に11月、年をまたいで2023年1月と合宿を重ねる中で、「自分が叶えたいものは何なのか」を更に突き詰めて考えながら、具体的なマネタイズや実証実験の計画を進めてきました。
そして2023年2月、6名の参加者が成果発表会を迎えます。

 

妙高市長からの激励を受け、成果発表会がスタート

会場となった妙高市役所の会議室には、6名の参加者と4名のメンター、妙高市長の城戸様、妙高市のご担当者様に加え、複数社のメディア取材も入りました。妙高の冬らしい大粒の雪が降りしきる中、城戸市長のご挨拶から発表会がスタートします。

 

「日本全国どこの地域も、課題を多く抱えております。その課題の解決のために、皆様からスタートアップ、起業という形での地域課題解決のためのヒントをいただきたいなと思っておりますし、ヒントというだけではなくて、実際にみなさまにやっていただきたいなという想いでおります。そのための支援をするのが、私たち行政です。地域課題の解決方法は、100人いれば100通り。ぜひ皆様ひとりひとりの熱い想いを、この地でやるんだという意気込みを、この場でぶつけていただければ思います。」

メンターを務めた遠山からのご挨拶と趣旨説明

続いて本プロジェクトの全体統括とメンターを務めた当社代表取締役社長の遠山から、ご挨拶と趣旨説明が行われました。

 「10月から約5カ月かけて考えてきた「妙高市の課題をどう解決していくか」のプレゼンテーション、きいていただければと思います。先ほど城戸市長からも話がありましたが、色んな地域課題はどこにでもあって、それをどうやって解決していくのかというのは、どこの地域の課題でもあります。私含めたいろんな起業家たちはその解決に向け取り組んでいますが、やっている中で思うのが、アイデアっていうのはいくらでも出てくるんですよね。そのアイデアを、形にしていく人たち、それこそが起業家だと思っています。ひとりでは形にできないので、それをみんなで協力してやっていく。その結果が、社会課題の解決につながっていくと思っています。今回もうすでに実行している人もいれば、これからしていく人もいますが、熱い気持ちでプレゼンテーションをお願いできればと思います。
合宿ではゆるやかな雰囲気でやっているので、今日は城戸市長もメディアの方もいらっしゃって緊張した様子もありますが。緊張してもしなくてもアイデアは、やってきたことは変わらないので、いつも通り、やっていきましょう。よろしくお願いします。」

6名の発表に対し、市長やメンターから丁寧なフィードバック

ここから参加者6名の発表がはじまりますが、事業アイデアの流出を防ぐため、発表内容は一部抜粋する形でご紹介させていただきます。

  1. 1人目の発表者は、学生起業を果たしテントサウナ事業を展開しているスタートアップ企業の経営者。自身の原体験から、「人類が自然体でいられる世界をつくる」ことをミッションに掲げ、大学3年で起業されました。これまでの知見と妙高市の自然を掛け合わせた新規事業について発表し、より一層妙高市らしさをプラスしていくと更に価値があがりそうだと、城戸市長から熱いフィードバックがありました。
  2. 2人目は、新潟大学に所属する現役大学生からの発表です。現状の社会課題としてストレス社会による精神疾患者数の増加を挙げ、妙高市の自然で働く人を幸せにする事業についてプレゼンテーションを行いました。実証実験の計画も立て、集客も行い、妙高市の他の企業との連携も図っており、既に大きく動き出しています。メンターの方からの具体的なフィードバックを受け、更に改良していきたいと意欲を語りました。
  3. 3人目も新潟大学に所属している現役大学生。「記憶に残るような思い出、永遠になるような瞬間を作りたい」という想いのもと、観光客の減少とOOの2つの課題を解決し、尚且つ今ある観光資材を更に活用できる事業案を発表。城戸市長からのフィードバック内容から新たな視点を得て、また一歩、他にはない事業へと成長していく様子を目の当たりにすることが出来たのが印象的でした。
  4. 4人目は、新潟大学院に所属している学生起業家。この方は林業関連の企画・調査・コンサルティングの事業を展開しており、大学院では森林に関するある分野における日本で唯一の研究者として研究をされています。その高い専門性を活かした新規事業についてプレゼンテーションを実施。多くの地方自治体の抱えている課題にも寄り添った内容で、今後の可能性に関してのフィードバックが多く飛び交いました。
  5. 5人目は、2020年からフリーカメラマンをされている個人事業主の方からの発表です。妙高に生まれ育ち、一時関東での暮らしを経て現在妙高に住んでいるこの方からは「人と人とをつなぐ」「なんでもできる可能性を妙高に感じてもらう」ことを目指した新規事業についての発表がありました。間近に実証を控えており、この短期間で考え・動かし・形にしていることへの賞賛や、更に良くする手段について議論がされました。
  6. 最後の発表者は、学生起業を果たした現役大学生。これまでの発表者とは少し違う切り口から妙高市の課題を捉え、最新技術を活用して解決を試みる新規事業についてを発表。プログラム開始当初と比較して完成度があがっていることに驚くメンターのフィードバックに会場からは笑いも起こる中、事業の汎用性の高さへの評価に加え、乗り越える必要のある壁についても認識を新たにしました。

葭原課長からの総評と参加者全員からの振り返りを持って、発表会は終了

最後に妙高市役所 企画政策課の葭原課長から、本日の総評をいただきました。一部抜粋して記載いたします。

 

みなさまお疲れさまでした。当初の考えから、色んな方々のアドバイスを受け、変化し、最終的に本日の発表になったと思っています。ひとつひとつ、妙高のフィールドを使って、昨日よりも今日、今日よりも明日をよくしていきたいという想いを強く感じました。その想いを、ぜひ形にしてください。そのために我々行政も精一杯ご支援させていただきたいと思っております。みなさまご存じの通り、妙高市はSDGs未来都市です。また、ゼロカーボンパークの面もありますし、雪や自然といったローカル資源もあります。こういったものと皆様のアイデアを結び付けることが、妙高市でアクセラレータープログラムをやる意味になると思っております。本日は遠山様、メンターのみなさま、6名の参加者のみなさま、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。

本来のプログラム上はこちらの挨拶で終了の予定でしたが、時間に余裕があったため急遽参加者全員からの振り返りを実施。メンター4名、参加者者6名、妙高市の職員の方や運営に携わった弊社社員、それぞれの視点から見た今回のプログラムの成果や反省点、そしてこれからについての想いを発表し合いました。

このプログラムから生まれた新たな学びやつながりを持って、今回の参加者の事業が更なる飛躍を遂げ、妙高市の課題解決へ貢献することを期待しています。